表現力

表現力というものには個人差がありますね。難しいと感じる人、楽しいと思う人、意識せずに自然と出来る人と様々ですが、これは努力である程度望めるものなのです。それはピアノのテクニック技法を磨く事ですね。指の力、形、姿勢はもちろん強弱記号や速度記号等の音楽的知識を身につけ、それを確実に演奏する事が出来れば何とか表現としては成立します。しかしそれはあくまでも技法上の事なので、自分が演奏していて弾んだ心で楽しめるのかと考えればなかなか難しい問題ですね。

私も学生の頃は技法的な事ばかりに目が向いてしまい、自分の心が付いてきていませんでした。よく言えば頭が良いという評価なのですが、悪く言えば機械のようだという評価なのです。その為上手とは言われても感動したとは言われませんでした。その後、改めていろいろな経験を積んで私の演奏は変わったのですが、物を表現するにはその時の感性をそのままストレートに表せば良いのです。もっと言えば自分を解き放ってあげれば、感覚そのものが表現として自然に表れるのですね。

人それぞれに感じ方が違うのですから皆が皆、同じ評価とは言い難いです。だからこそ芸術は面白いのですね。ただその表現力を磨く方法はあります。よく言われるように絵画や映画等に数多く触れて自分の感覚を研ぎ澄まし…という事がそうですね。そうした事を続けながら、ピアノ演奏においては演奏する曲に対しての思い入れを深くしていく事が表現力を高められる方法なのです。

例えばその曲の作曲家についての生い立ちや時代背景を調べてみるのも一つの方法です。とても身近に感じられる要素が出てくるのですよ。他にその曲をよく聴き込んで自分の好きなフレーズを発見し、家族や知人にその部分の魅力について語るというのも一つの方法です。興味を持てば持つほどその曲を表現する気持ちも高まっていきます。そうしていると知らず知らずの内に表現力も付いてくるものです。

その時の素直な気持ちで曲を演奏するという事が大事ですね。

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